鼻・副鼻腔
歯性上顎洞炎
歯が原因の蓄膿症です。
根尖性歯周炎(歯の根の化膿)、歯周病などが上顎洞に波及した疾患です。
最近では歯科インプラント治療後の上顎洞炎が急増しています。
ひどくなると上顎洞炎だけではなく、篩骨洞、前頭洞にまで炎症が波及します。
当医院では、他医院におけるインプラント治療後の副鼻腔合併症の治療、内視鏡下副鼻腔開放手術を積極的に行っております。
くしゃみ
くしゃみは、鼻粘膜への刺激に対して起こる反射です。
様々な要因で引き起こされ、下記のようなものが考えられます。
風邪症状で、体内にウイルスが侵入すると、異物に反応してくしゃみが出ます。
アレルギー性鼻炎では、花粉やハウスダスト、ダニ、ペットの毛などのアレルゲンに対する反応で起こります。寒冷刺激でも神経に作用して、くしゃみを起こします。
鼻水
鼻水は、水様性(さらさら)の鼻水と、膿性(どろどろ)の黄色い鼻水があります。
水様性鼻漏は、感冒症状の鼻炎や、アレルギー性鼻炎が原因のことがあります。
膿性鼻漏には、副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)が原因で起こることがあります。
小児で、鼻内に異物を入れてしまい、膿性鼻漏が出ることもあります。
どちらの場合でも、耳鼻咽喉科で診察をされることをお勧め致します。
鼻づまり
鼻づまりは、感冒による鼻炎やアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などが原因で、鼻茸ができたり、膿性の鼻水が出たり、鼻の粘膜が腫れたりして起こります。
片側の鼻づまりでは、鼻の中央の骨・軟骨である鼻中隔が曲がっていたり、まれにできものが認められることもあります。
小児の場合では、アデノイドが鼻奥をふさいでいることもあります。
鼻づまりの具合を調べる方法として、鼻腔通気度検査というものがあります。
鼻血
鼻の粘膜は毛細血管が多く、血管が傷つくと出血となり、鼻血が出ます。
鼻炎や副鼻腔炎で鼻の入り口が傷つくと鼻血が出ることもあります。
鼻の怪我やぶつけたときでも鼻血が出ることもあります。血圧が高いと血管が破れやすく、また、出血が止まりにくいことが多いです。
しばしば、特に誘因なく鼻血が出ることもあります。
また、鼻や副鼻腔の中にできものがあると鼻血を引き起こすことがあります。
鼻血を繰り返す場合や、鼻血が止まらない場合は、処置が必要になりますので、耳鼻咽喉科で診察をされることをお勧め致します。
臭いがわからない
臭いの感覚に何らかの異常を起こす症状で、嗅覚障害と言われているものです。
臭いは嗅裂という、鼻の上側の部分で感知しています。
嗅覚障害の原因としては、感冒やインフルエンザなどの上気道のウィルス性疾患で臭いの神経にダメージを与えたり、鼻茸が臭いを感知する部分を邪魔したり、花粉症などの鼻炎で鼻の粘膜が膨らんだりすることが挙げられます。
嗅覚障害の治療は、原因を除くことに加え、内服や点鼻による投薬での治療を行います。
蓄膿症
蓄膿症とは、副鼻腔炎のことを言います。
副鼻腔とは、鼻の周りにある、加湿や加温などを司る空洞のことを言い、そこに炎症が起きると副鼻腔炎となります。
炎症が原因で起こった膿や病的な粘膜が、鼻と副鼻腔をつなぐ穴から排泄できず溜まってしまうと慢性化し、慢性副鼻腔炎となります。
治療としては、内服や点鼻による投薬での治療ですが、それで改善しない場合は、内視鏡を用いた手術を検討致しますので、早めに耳鼻咽喉科で診察をされることをお勧め致します。
鼻の奥が痛い
鼻痛のことを言い、原因として下記のような様々なものを考えます。
鼻に中の乾燥が長く続くと鼻痛が起こることがあります。
また、点鼻薬を常時使用することでも乾燥することがあり、注意が必要です。
冷気でも鼻の中の血管が収縮して痛みを起こすこともあります。
感冒やアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎でも起こりますが、鼻をかむことが多いと、粘膜に炎症が起こり、痛みを感じやすくなります。
また、人によっては、鼻血が出る前に痛みが起こることもあります。
上咽頭という、鼻の一番奥にある部分が炎症を起こす、上咽頭炎でも鼻の奥が痛くなることもあります。
まれに、鼻の中に悪性腫瘍ができることで痛みが生じることもあります。
気になる症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科で診察をされることをお勧め致します。
おでこのところが痛い
上にも説明しましたが、副鼻腔の中の一つで額の奥にある、前頭洞という空洞があります。
その部分に蓄膿症が起きると前頭洞炎と言い、おでこのところが痛い、頭痛や頭が重い、発熱などの症状が出ることがあります。
治療としては、鼻の処置や洗浄、ネブライザー療法、マクロライド系という鼻に効果の出やすい抗生物質や消炎剤の内服などがありますが、症状が続く場合は手術が必要となることもあります。
鼻汁
鼻汁は、水溶性(水のような)鼻汁、粘性鼻汁(粘っこい)、膿性鼻汁(ウミを伴った黄色あるいは青い)、血膿性(血が混じった膿を伴うもの)、血性(血液性)などいろいろ見られます。
鼻閉(鼻づまり)
鼻閉(鼻づまり)をきたす疾患には以下のものがあります。
1:鼻腔内の形の異常;鼻中隔弯曲症、後鼻孔閉鎖
2:鼻腔内の炎症;アレルギー性鼻炎、鼻茸(ポリープ)、慢性副鼻腔炎、頬部嚢胞
3:腫瘍性疾患;鼻腔内腫瘍(良性、悪性)、鼻内異物(乳幼児に多い)、アデノイド増殖(乳幼児)、鼻咽腔(鼻の奥)腫瘍
検査:内視鏡検査、鼻腔通気度検査
鼻づまりによる影響について
・口呼吸によって喉の炎症や乾燥感、異常感などがあります
・喘息や気管支炎を生じやすくなります
・においがわかりづらくなります
・味や風味がわかりづらくなります
・子供の食事時間が遅くなります
・新生児、乳児では体重増加不良
・集中力の低下など
急性副鼻腔炎
・多くの場合、風に引き続いて生じます
・上の奥歯が原因の場合(歯性上顎洞炎、歯性副鼻腔炎)
・飛行機、高い山など気圧によるもの
外傷によるもの
症状:膿を伴った鼻汁(膿性鼻汁)、鼻づまり、頭痛、悪臭、頬部痛(ほっぺの部分)、歯が原因の場合は上顎の歯の痛み(奥歯)、歯肉の腫れや痛み
慢性副鼻腔炎
急性副鼻腔炎からの移行、アレルギー性の炎症、鼻・副鼻腔の形態以上による排泄、換気の異常などによって副鼻腔内に貯留液が溜まり、粘膜が肥厚します。
3ヶ月以上症状が持続した場合慢性副鼻腔炎と診断されます。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎の場合の鼻汁は水のような水溶性でたくさん出ます。
くしゃみや鼻づまりを伴います。
髄液鼻漏
交通事故など外傷性、先天性、突発性、鼻の手術後などが原因。 症状としては発熱、頭痛を繰り返している。
腫瘍
良性、悪性腫瘍
自己免疫疾患
多発血管炎性肉芽腫症
検査
・鼻鏡検査
・内視鏡検査
・CT, MRI
・鼻汁スメア検査
・細菌培養検査
・血液検査
・細胞診、病理検査